トイレ以外にもいる神様のお話
「神さまがやどるお掃除の本」は、生活コーディネーターであるきさいち登志子さんが著作と監修、久保田裕道さんが監修をしたという永岡書店出版の書籍です。
タイトルを聞いてピンと来た人もいると思いますが、これはヒット曲「トイレの神様」を意識したものです。
歌の中に出てくる歌詞ではおばあちゃんの教えで「トイレには神さまがいるから丁寧に掃除しなさい」と教えられてきたということが言われていますが、この本の中ではトイレ以外にも家の中に神さまがやどるということを掃除の理由として挙げています。
以前よりきちんと部屋の中を清掃しておくことは運勢をよくするために有効な手段であるということが慣習的に言われてきました。
この本ではそうした清掃をワンランク上の方法で行うことで、より室内の清潔感を高めることができるとしています。
本の分類的に書店などで片づけノウハウ本として並べられていることも多いのですが、実際にはこの本のメインとなっているのは「清掃」の方です。
片づけと清掃は似ているようでちょっとコツが異なりますので、この本においては落ちない汚れや知らないうちに劣化してしまう住宅設備をキレイにできるためのテクニックが紹介されています。
意外にやっていない細かい掃除のポイント
タイトルだけを見るとちょっと宗教やスピリチュアル系の本かな?と思いますが、内容では宗教的な教えについて軽く触れながら掃除のコツを教えてくれます。
具体的には神さまを呼び込むために重要になる家の場所を紹介していくとともに、特にどういったところをキレイにするとよりよいかということを示します。
玄関の清掃においては、神さまは光るものをめがけて訪れると言われていることから、ドアノブの金属をピカピカにし、さらに入り口スペースを小さくしないためにできるだけモノを置かないようにということが提案されます。
私達は普段なんとなく清掃はしていますが、例えば上記のドアノブといったような細かい場所は案外滅多に掃除をしていなかったりします。
この本ではそんなふうに神さまの出入りといった縁起を建前としつつも、あまり普段の清掃では手を回すことがない細かい部分の清掃方法を示してくれています。
掃除の方法としてもお酢など身近な品物を上手に使って簡単にピカピカにする方法を示したり、歯ブラシや雑巾などをどんなところで使うと便利かと言った「おばあちゃんの知恵」的な掃除のテクニックが紹介されます。
畳には粗塩をまいてからタオルで拭くといったことも書かれており、読み進んでいくほど昔の人が使っていたお掃除テクニックというのはそのまま神さまを呼び込むためのことだったのだなと不思議な文化の深さを感じることができます。