子供たちにとっての「生きる力」を教えてもらえる
「学校では教えてくれない大切なこと」は現在まで10冊以上が発行されている旺文社編集のシリーズ出版物です。
イラストを担当されているのはイラストレーターであり漫画家でもある入江久恵さんで、ちょっととぼけた絵を背景に人に教えてもらう機会のない世の中のことを詳しく説明してくれる本です。
整理整頓編はそんなシリーズの第一弾として発行されたもので、子供が自分自身の身の回りのことをどう整えていくかということを具体的な事例をもとに教えていきます。
シリーズ全体を通しての理念となっているのが「学校ではテストで100点をとると褒められるけれども、そうした評価はその人の価値のすべてではない」ということです。
整理整頓編の他にこれまで刊行されている本としては、「友達関係」「ステキになりたい」「カッコよくなりたい」「時間の使い方」などがあります。
本来ならばこういったことは身近な大人や社会が子供に実体験を通して教えてくれるものだったのですが、幅広い大人と知り合う機会がない子供にとっては身近な教師がいません。
そこでそんな子供たちにとって「知りたいけれども誰も教えてくれない」ことを丁寧にまとめてくれているのがこの本となります。
片付けをすることのメリットも教えてくれる
子供を持つ親が一度は口にするのが「早く片づけなさい!」といったことです。
しかしあらためて「どうして片づけなきゃいけないのか」「すぐ使うものを片づけないといけないメリットは何か」といったことを聞かれたとき、それに即答できる人はそう多くないはずです。
子供というのは案外理屈っぽいもので、自分が命令されることにきちんと動機づけや納得がないといくら口先で言うことを聞かせても思うように動いてはくれません。
そこでこの本では単にどうやったら身の回りのものを片づけられるかということだけでなく、片付けを日常的に行うことで生まれるメリットについて細かく説明をしてくれます。
片づけをするというのは言われてから行ってもキレイにできるものではなく、自分の気持ちがしっかり余裕を持てるときにやらないとうまくいきません。
片づけをしろと親に言われてやっても、例えばバラバラな品物をとにかく一箇所の箱の中に押し込んだり、適当に脇にのけたりしてそれで終わりになってしまいます。
きちんと身の回りのものが片付くことで、勉強をしやすくなったり、文章がうまくなったりといったメリットがあることをこの本では示しています。
子供のための読書として作られているので内容の大半なマンガで感情移入がしやすく書かれています。
子供が自分で読むために与えてもいいですし、大人の私達が読んでも「そうか」と思えるような言葉があちこちに散りばめられています。