「ケチじょうずは捨てじょうず」の著者はどんな人?
「ケチじょうずは捨てじょうず」(ビジネス社刊)を書いたのは、小笠原洋子さんというエッセイストです。
1949年東京都に生まれ、東洋大学文学部を卒業した小笠原洋子さんは、京都や東京で画廊・美術館に勤務した後、美術エッセイストとして活躍しています。
2020年12月に刊行された「ケチじょうずは捨てじょうず」は、できるだけものを買わずに1日1000円で豊かな暮らしをしている彼女の指南書です。
小笠原さんのエッセイが注目されるようになったのは、作家の群ようこさんが彼女の「捨て力」を絶賛してからのことです。
「ケチじょうずは捨てじょうず」には、実家を整理した際の処分体験などもリアルに描かれており、共感を得ることは間違いありません。
バブル期は京都の画廊に勤務していた小笠原さんは、優雅に祇園遊びをした経験もあり、お金をたくさん使う生活にも慣れていました。
そうこうするうちに精神重視の生活に目覚め、いらないものをは上手に捨てて、空間的スペースだけではなくて精神のスペースも獲得することに目覚めます。
「ケチじょうずは捨てじょうず」の他に「おひとりさまのケチじょうず(ビジネス社)」や「五条坂弥生坂物語(美術出版社)」、「夢二・ギヤマンの舟(大村書店)」、「フリードリヒへの旅(角川学芸出版)」などの著書もあります。
本の内容
71歳になる小笠原さんは、「生活に必要不可欠なもの」と「厳選された好きなもの」だけに的を絞り、大きな家具はできるだけ買わないといったような工夫をしています。
必要のないものを捨てていくと、家が片付き、体を以前よりも動かすようになります。
あるものはとことんまで大事に使い、使い終わったら元に戻すというシンプルなルールを実践するだけでも、運動になるので健康管理にも役立ちます。
衣類にしても、お兄様のカーディガンの袖口を詰め、ファスナーにリメイクしたり、お父様の帯も捨てずに活用したりするなど、アイデアがあってこその節約とも言えます。
キッチンの流し台に三角コーナーは置かずに、スーパーの薄いビニール袋を利用する、ティッシュは買わずにトイレットペーパーを美しく卓上で使うなど、今すぐに実践できる知恵も盛りだくさんで勉強になります。
人生経験を積んだ女性のしたたかな教え
人生経験を積んだ女性だからこそのしたたかな教えは、単なる片づけ方法ではなくて、人生の生き方としても参考になりますので、時間があったらぜひ読んでほしいものです。
この本を読んでいると、百均で安いからと言って飛びついたりしないで、買わずに自分で創作する楽しみにも出会うことができます。
ただ、著者の生き方があまりにストイックなので、そのまま実践するのは難しいかもしれません。